Commons:ライセンスの選択

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このページは、自作の作品をコモンズへ提供する人たちの中でも、フリーライセンスに関する助言を受けたり、どのライセンスが自身の作品に適しているかを知りたい人たちへのガイドページです。

もしあなたがこのページ全部を読まずに、コモンズのコミュニティーで推奨されているライセンスを簡単に知りたいだけならば、以下のライセンスが推奨されています。

  • {{CC BY-SA 4.0}}(いくつかの権利を留保。「表示」と「継承」の条件が付く。)
  • {{CC BY 4.0}}(いくつかの権利を留保。「表示」の条件が付く。)
  • {{CC0}}(いかなる権利も保有しない。パブリックドメイン、あるいはパブリックドメインとしての公開が無効な場合は権利行使の放棄)

ただし、あなたが同意しようとしていることを理解するためにも、このページの残りも読むことを是非ともお勧めします!

主義と哲学[edit]

知的財産権にもとづき、知的財産の作者には自身の作品がどのように使用できるか支配できる権利が与えられます。著作権は知的財産権の形態の一種です。たいていの形態において、著作権は他者の作品を使用することを制限します。

著作権に対して反対の立場を取る人たちは、現在の著作権制度、あるいは如何なる著作権制度も不適切と考えていたり、著作権制度はもっと簡素にされるか廃止されるべきと考えています。もしあなたがそのような立場ならば、あなたの作品をパブリックドメインとして公開したいと思うでしょう。その場合は次の節をご覧ください。

コピーレフトとは、著作権制度の中で、著作権による制限を取り除くために著作権制度を利用する考え方です。コピーレフトを支持する人たちは、反著作権主義者かもしれませんし、そうではないかもしれません。

もしあなたがコピーレフトの考え方を支持するなら、このページの最後の節で詳細しているフリーライセンスをあなたは適用したいと思うでしょう。

リナックスのようなオペレーティングシステムから、ウィキペディアおよび姉妹プロジェクトで使用されているようなソフトウェアに至るまで、ソフトウェア開発におけるオープンソース活動はよく知られており、広い範囲での応用に成功してきました。オープンソースの重要な特徴は次のような点です。

  • ソースコードの閲覧、改変が可能なこと
  • あらゆる改変版に対しても、同じライセンスでの公開を要求すること

主要な人物、事柄、活動[edit]

Creative Commons logo ローレンス・レッシグは、2004年に"Free Culture"という本を書いたアメリカの法律家です。クリエイティブ・コモンズ活動の創立者でもあります。今日のインターネットで広く使用されているコピーレフトライセンスの内のいくつかは、この活動によりを広められたものです。

Free Software Foundation's GNU logo リチャード・ストールマンは、フリーソフトウェア財団を創立し、ソフトウェアのオープンソースライセンスとして最も使用されている GPL (GNU General Public License、GNU一般公衆ライセンス)を作成した、アメリカのソフトウェア開発者です。フリーソフトウェア財団は、GPL はソフトウェア自体のためのライセンスと位置付け、ソフトウェアに関わる文書(ヘルプ文書など)については同様に使える GNU Free Documentation License(GNU自由文書ライセンス)を作成しました。

Free Cultural Works definition Definition of Free Cultural Works(自由文化作品の定義)では、そのライセンスが Free Culture License(フリーカルチャーライセンス、自由文化ライセンス)であるために不可欠なライセンス要求事項を明確にしています。

  1. 作品を利用する自由
  2. 作品を調べて、その情報を応用する自由
  3. 作品を再配布する自由
  4. 作品の二次創作を作成し、配布する自由

Wikimedia Foundation ウィキメディア財団は、ウィキメディア・コモンズ、および広く知られているウィキペディアのプロジェクトを管理しており、現在ではコピーレフト・ライセンスの大きな支持者の一つでもあり、間接的なコピーレフト・ライセンスの推進者でもあります。ライセンシングの方針では、ウィキメディア財団が管理する全てのプロジェクトには Definition of Free Cultural Works で定義されている Free Culture License が用いられることを要求しています。

Flickr Flickr(フリッカー)は人気のある写真共有サイトの一つで、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスを簡単に選んで写真をアップロードできます。Flickrの人気によって、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに関する認知と知識が Flickr 利用者の間に広がってきました。Flickr にはAPIも用意されており、フリーライセンスで公開された写真の再利用を手助けしています。

パブリックドメインでの公開[edit]

あなたが作品をパブリックドメイン(あるいは全ての権利を可能な限り放棄)で公開すると、その作品の利用を制限する全ての権利を放棄することになります。いくつかの司法制度では著作者人格権の放棄が無効な場合もあるので、全ての権利の完全な放棄は法的には不可能な場合もあります。しかし、その場合でも、独占的な利用と配布の権利を放棄することはできます。

パブリックドメインで公開すれば、最も幅広い利用が可能になりますので、パブリックドメイン公開は「最もフリー」な方法ともいえます。しかし、その作品を利用して作られた二次的著作物は「フリーにならない」ときもあります。なぜならば、二次的著作物の作者は従来の制限が強いライセンスを選ぶことが可能だからです。

作品が「フリーであり続ける」ことを確実にしたいならば、「継承」の条件を持たせて公開することが必要となります。

よく使用されるライセンス条件[edit]

ここではよく使用されるライセンスが要求する条件を掲示します。 http://freedomdefined.org/Definition#Defining_Free_Culture_Licenses における、フリーであるために不可欠な条件と比較してみてください。

条件 説明 ウィキメディア・コモンズで受け入れ可能か?
許可 再利用者は、作品の著作権保持者に利用の許可を得る必要があります。 Stop hand.svg No
通知 再利用者は、作品を利用するとき、その作品の著作権保持者に報せる必要があります。 Stop hand.svg No
全文 再利用者は、作品を利用するときは、その作品のライセンスの全文も掲載する必要があります。 Green check.png Yes
表示 (BY) 再利用者は、作品を利用するとき、その作品の著作権保持者を表示する必要があります。 Green check.png Yes
継承 (SA) 作品の二次的著作物を作成した再利用者は、その二次的著作物を公開するときは、元の作品と同じライセンスの下に公開する必要があります。 Green check.png Yes
非営利 (NC) 非営利目的に限り、作品を利用できます。 Stop hand.svg No
改変禁止 (ND) 再利用者は、その作品をもとにした二次的著作物を配布することはできません。原則的に作品は改変することができません。 Stop hand.svg No

よく使用されるフリーライセンス[edit]

略語 名称 条件
CC BY Creative Commons Attribution 1.0, 2.0, 2.5, 3.0, 4.0 表示
CC BY-SA Creative Commons Attribution ShareAlike 1.0, 2.0, 2.5, 3.0, 4.0 表示、継承
GFDL GNU Free Documentation License v1.1, 1.2, 1.3 表示、継承、全文
FAL Free Art License v1.2, 1.3 表示、継承、全文

古いバージョンのライセンス[edit]

一般的には、できるだけ最新のバージョンのライセンスを使用することが推奨されています。

再利用を容易に[edit]

作品が再利用される状況として、2つの場合が考えられます。1つは、多少の程度の差はあるでしょうが「個人的な」使用のために再利用する状況です。この状況の利用者にとっては、「全文」の条件が付くライセンスはやや使いにくいでしょう。もう1つは、ウィキのような共同作業サイトのために再利用される状況です。この場合、サイト全体として既にライセンスを選択しており、全てのコンテンツはそのライセンスに従うことになっているかもしれません。このようなサイトの利用者にとっては、ライセンスに互換性は無く、 コンテンツを同じライセンスで利用可能にする必要があります。

これが GFDLとCC-BY-SA(全てのバージョン)のデュアルライセンスの使用が推奨されている理由です。どちらのライセンスも「継承」の制限が付き、どのような改変をされても作品をフリーであり続けることを確実にします。さらに、「全てのバージョン」の CC-BY-SA を指定すれば、CC-BY-SA による再利用し易さを最大限にすることができます。CC-BY-SA の前のバージョンで「固まってしまう」ことも避けれます。また、GFDL を指定すれば、ほとんどのウィキメディアプロジェクトで間違いなく作品が利用可能となります。

関連項目[edit]

外部リンク[edit]